"Wheel-type heterometallic ferromagnetic clusters: [Ni7-xMx(HL)6(μ3-OMe)4(μ3-OH)2]Cl2 (M = Zn, Co, Mn; x = 1, 3)"
複数の異種金属イオンからなる異種金属錯体は、適切な組み合わせにより磁気的相互作用を自在に設計することが可能であるため、磁気クラスターの磁気特性制御における非常に有用なアプローチの一つとして知られています。本研究では、依然我々が報告した強磁性的磁気挙動を示すWheel型七核ニッケル(II)クラスターをベースとし、異種金属クラスター[Ni7-xMx(HL)6(μ3-OMe)4(μ3-OH)2]Cl2 (M = Zn, Co, Mn; x = 1, 3) を合成することで、その磁気特性の制御を試みました。Mn(II)およびCo(II)イオンを用いることで、基底スピン状態の制御ならびに単分子磁石挙動(SMMs)の発現に成功し、また、反磁性イオンであるZn(II)イオンを用いた異種金属クラスターの磁気的相互作用を詳細に評価することによって、通常のX線構造解析では区別不可能な、異種金属イオンの配置についても明らかにしました。この研究内容に関する論文は、Dalton Trans. の Inside Front Cover に採用されました!
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“Wheel-type heterometallic ferromagnetic clusters: [Ni7-xMx(HL)6(μ3-OMe)4(μ3-OH)2]Cl2 (M = Zn, Co, Mn; x = 1, 3)”
Fumiya Kobayashi, Ryo Ohtani, Sotaro Kusumoto, Leonard F. Lindoy, Shinya Hayami*, Masaaki Nakamura*
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