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Solvent Vapor-Induced Polarity Switching in Iron(III) Complexes

執筆者の写真: 文也 小林文也 小林

"Solvent Vapor-Induced Polarity and Ferroelectricity Switching"


“ソフトクリスタル” の概念に代表されるような高秩序かつ柔軟な応答を示す金属錯体結晶は、熱や光、圧力、ゲスト分子などの外場刺激に対して特異な構造変化とそれに伴う機能物性の変化を示す物質群になります。これまでに様々な化合物が合成され、結晶(固体)試料における外場刺激による可逆的な機能性制御が報告されていますが、その多くは発光特性制御およびスピン状態変化に基づく磁気特性制御に関する報告になります。一方で、対称性が破れた極性構造を有する化合物は、強誘電性や圧電性などの特異的な誘電特性を示すことからセンサーやアクチュエーターなどへの応用が期待されていますが、このような極性構造を形成するための要因は不透明な部分が多く、報告例は極めて限られています。本研究では、配位サイトの一つが溶媒分子により占有されている、六配位八面体型単核鉄(III)錯体[Fe(sap)(acac)(sol)] (sap = 2-salicylidenenaminophenol, acac = acetylacetone, sol = MeOH, DMSO, pyridine) が、溶媒蒸気の曝露によって、極性構造(Cc)と非極性構造を結晶固体状態で可逆的に変換できることを見出しました。さらに、極性構造を有するDMSO体はSHG活性などの極性集積構造に起因した特異的な性質を示すことが明らかとなり、溶媒分子による可逆的な機能制御を達成しました。これらの知見は、固体状態における新たな極性変換手法として極めて有用であり、多機能化と高機能化を目指した今後の更なる展開が期待されます。


Reference Link

“Solvent Vapor-Induced Polarity and Ferroelectricity Switching”

Fumiya Kobayashi, Ryohei Akiyoshi, Daisuke Kosumi, Masaaki Nakamura, Leonard F. Lindoy, Shinya Hayami*

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Tokyo University of Science (TUS)

Department of Chemistry

Faculty of Science Division I

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